【収録内容】
庄司タカヒトの「520円トリック」 (解説:ゆうきとも)
マジシャンは、まず、「500円玉1枚と10円玉2枚」、合計520円を手の中に握ります。 そして、その中から、コインを1枚ずつ取り出しては、算数の問題と称して、残りの金額を尋ねていきます。 途中まではまともなのですが、次第に、「あり得ないコイン」が取り出されるなど、予想外の展開になっていき…
最終的には、爆笑のうちに演技を終わります。 庄司氏ならではのユニークなパフォーマンストリックです…なお、次項の関連コラムもご覧ください。
【コラム】「残りはいくら?」520円トリックに至るまで (ゆうきとも)
上の「520円トリック」が誕生するまでのヒストリーや、作品分析等を綴った、充実した内容のコラム。 このトリックは、奇術探究・第4号でご紹介した、こざわまさゆき氏の「¥150 TRICK 」が、思いがけない形に進化して生まれた作品。 途中、佐伯 暢氏の改案を経て、庄司氏の作品に至る変遷の記述は、それぞれのマジシャンの思考形態が窺える面白い内容です。 加えて、作者の意図を深く探り出す鋭い分析、それに基づく効果的な見せ方の解説、さらに…
庄司氏の「裏演出」とでも言うべき、パフォーマーとしてのキャラクターを活かした絶妙で独特の演技法を紹介しています。
Elastica (こざわまさゆき)
4枚のキングのパケットを輪ゴムで厳重に縛り上げた状態で、4枚のエースに変化させる…不可能に挑戦したトリック。 最初も最後もクリーンなので、信憑性の高い方法です。 なお、今号のテーマの1つが、「輪ゴムとデックのコンビネーション・ルーティン」です。 また、解説の中で、第4号での懸案事項であった、ある「輪ゴムのかけ方」の歴史的な位置づけにも触れています。
Jack In The Box (びっくり箱)~Yuji村上の手順~ (Yuji村上)
カードケースとデックに輪ゴムをかけた状態で、ケースの中に入れた1枚のジャックが瞬間的にケースから飛び出して現れ、 代わりに、デックの中に混ぜた観客のカードが、ケースの中に飛び込んでいる…
遠藤康宏氏の「Jack In The Box(びっくり箱)」は、奇術探究・第4号の中でも、特に反響の大きかった作品です。 今回はそのバリエーションや発展型を3種類ご紹介していますが、これがその第一。 Yuji村上氏が、手法や演出にさらに工夫を凝らした、とっておきのアイデアを発表してくださいました。
びっくり箱プラス (ゆうきとも)
こちらはその第二、ゆうきともによる方法です。 遠藤氏の原案は、ストイックなまでのピュアリズムに貫かれており、構成としても大変美しいものです。 が、一方で技術的な「難所」があり、相応の練習や慣れが必要な部分がありました。 この作品では、「演じやすさ」を優先して、全体の構成を、よりトリッキーな形に変更されています。 「原案は、面白いんだけど、ちょっと大変」と思われていた方は、ぜひこちらを演じてみてください。
びっくり箱プラス1 (ゆうきとも)
そして、「Jack In The Box(びっくり箱)」発展型の、第三の作品。 ここでは、現象自体に変更が加えられ、1枚のジャックではなく、4枚のジャックで行えるようになっています。 すなわち、「4枚のジャック」と「1枚の観客のカード」という、対比がはっきりした構造を作り出すことにより、 現象もより分かりやすくなった上、手続きも簡略化され、ストーリー的にもスッキリした形になりました。
NLR (ノジマ式・リンキング・ラバーバンド) (野島伸幸)
何の仕掛けもない2本の輪ゴムが、目の前で繋がって、また外れます。 有名な、ダン・ハーラン氏の「輪ゴムのリンキング」を、より大胆な演じ方に改良。 従来必要だった事前の秘密操作を、なんと手順の中に組み込み、観客が注視している状態で行えるようにしました。 もう、ミスディレクションをかけて隙を作ってゴニョゴニョ…という「準備段階」は要りません。 クリーンに、公明正大に演技を始めることが出来ます。 (「SLR」という商品に添付して発表したアイデアですが、より詳しい図解入りで解説しています)
商品名: | 奇術探究 第6号 |
ジャンル: | カード・マジック、コイン・マジック、 輪ゴム、その他 |
発行元: | コミュニケーション・デザインズ (Communication Designs Inc.) |
発行日: | 2010.03.31 |
サイズ: | B5 |
頁数: | 32 |
言語: | 日本語 |
価格:2,000円(税込 2,200円)